一日の終わり、疲れて帰ってきて「お風呂に入らなきゃ…」と思いながらも、なかなか体が動かない夜ってありませんか?
体を清潔にしたい気持ちはあるのに、どうしても気力が湧かない。ソファでゴロゴロしていたら、気づけばもう寝る時間。「明日もあるし、ちゃんと入りたいのに…」と、焦る気持ちだけが募っていく。
そんな夜は、決してあなただけではありません。そして、それは「だらしない」わけでも、「怠けている」わけでもありません。
この記事では、「お風呂に入りたくない」と感じる理由を丁寧にひもときながら、無理なく清潔感をキープできる代替ケアや、お風呂へのハードルを下げるための環境づくり、入浴を習慣化するためのやさしいコツをご紹介します。
今日、少しでも気持ちがラクになれば嬉しいです。
お風呂に入りたくないのは「疲れている証拠」です
心と体が「もうがんばれないよ」と言っている
「入らなきゃ」と思っているのに動けないとき、それは心と体が疲れ切っているサインです。あなたがサボっているわけではなく、ちゃんと頑張ってきたからこその“限界”なのです。
お風呂に入れない自分を責めるのではなく、「今日の私は、それだけ頑張った」と認めてあげましょう。
お風呂が「癒し」ではなく「タスク」になっている
仕事、家事、育児、通勤、人間関係…毎日の生活に追われていると、本来リラックスのはずのお風呂すら、“やらなきゃいけないこと”に変わってしまいます。
とくに、髪を洗って乾かす工程がある日は、「あ〜もうムリ」となる人も多いはず。その気持ち、すごくよくわかります。
「洗わない夜」も大丈夫。ゼロにしないケアでOK
お風呂に入らない夜があっても、清潔感を保つ方法はあります。ここでは、私自身も取り入れている「最低限これだけやれば大丈夫」な工夫をご紹介します。
蒸しタオルで体と頭皮を拭くだけでスッキリ
蒸しタオルは、顔や首、脇、足などをやさしく拭くだけで、想像以上にスッキリします。髪を洗う気力がないときも、頭皮を軽く押さえるだけで、ベタつきやニオイが気になりにくくなります。
作り方はとても簡単です。フェイスタオルを全体的に濡らし、軽く絞ってしっとりした状態にしてから、電子レンジで温めます。
加熱の目安は、500Wなら約60秒、600Wなら40〜50秒ほど。レンジの種類によって異なるため、最初は短めから様子を見るのがおすすめです。
冷めにくくしたいときは、ラップや耐熱皿でタオルを軽く包んで加熱してもOKですが、密閉はしないでください。蒸気の逃げ場が必要です。
加熱直後はとても熱くなることがあるので、やけどしないよう、タオルを広げて少し冷ましてから肌に当ててくださいね。
汗拭きシートは手軽で便利な味方
外出先やベッドに入る直前など、「今さらお風呂はムリ」というタイミングで活躍するのが汗拭きシート。全身用、部分用、メントール入りや無香料など、種類も豊富です。
首筋や脇、背中、足元など、気になるところをサッと拭くだけでも気分が変わります。夏場は冷感タイプ、冬は低刺激のものを選ぶのがおすすめです。
ドライシャンプーで髪と頭皮の不快感をカバー
「髪だけでも何とかしたい」そんなときに便利なのがドライシャンプー。水を使わずに頭皮の皮脂を吸着し、ベタつきやニオイを抑えてくれます。
スプレータイプやパウダータイプがあり、枕元に置いておけば寝る前でも気軽に使えます。私も「今日はもう洗えない…」という夜にドライシャンプーを使うことで、翌朝の不快感がかなり軽くなりました。
「髪は明日洗う」と決めてしまう
今すぐ洗う元気がないなら、「明日の夜に洗う」と決めてしまってOKです。すると気持ちが整理されて、「今日はもう休んでいい」と自然に思えるようになります。
自分で選んだ“後回し”は、ただの“さぼり”とは違います。ちゃんと向き合っている証拠です。
入浴のハードルを下げる環境を整える
脱衣所や浴室が寒いと、気持ちが折れる
とくに冬場は、「寒いから入りたくない」と感じることもありますよね。脱衣所や浴室をあらかじめヒーターや浴室暖房で温めておくだけで、ぐっと入りやすくなります。
バスマットを厚手のものに変えたり、湯上がり用のバスローブを準備しておくのもおすすめです。
自動湯はりで「入るきっかけ」を先に作っておく
お湯が張られていて湯気が立っていると、それだけで「ちょっと入ろうかな」と思えることがあります。タイマーでお湯張りをセットしておけば、入浴のハードルが自然と下がります。
「今、入るタイミングだ」と思わせてくれる環境を作るのも、立派な仕組みのひとつです。
お風呂道具を最小限にして、気力の節約を
シャンプーやボディソープ、タオルなど、使うものは最小限に。必要なものだけを取りやすい場所に置いておくことで、入浴前の面倒くささがかなり軽くなります。
「全部やらなくてもいい日」を自分に許す
「体だけ洗う」「髪だけ洗う」を分けて考える
お風呂は“全部やる場所”じゃなくていいんです。今日は体だけ、明日は髪だけ。そうやって分けて考えることで、少しずつ入る習慣を保つことができます。
部分洗いでも、十分清潔感はキープできる
脇、足、顔など、皮脂や汗がたまりやすい部分だけでも洗えば、においや不快感はほとんど気になりません。
「全部洗わないと意味がない」という思い込みは、今日から手放してしまいましょう。
髪を乾かすのが面倒な日は、時短アイテムで乗り切る
吸水性の高いタオルや速乾ドライヤー、速乾スプレーなどを活用すると、髪の乾かし時間が短くなります。「乾かすのがイヤだから洗わない」という壁が、ぐっと低くなります。
「今日は入ってみようかな」と思える仕掛けをつくる
入浴剤の香りで、気持ちをやさしく切り替える
ラベンダーやヒノキ、柑橘系など、好みの香りの入浴剤をいくつかストックしておくと、「今日はこれを使おうかな」という小さな楽しみになります。
香りは気持ちのスイッチを入れる大切な要素です。
照明や音楽でお風呂を特別な空間に
浴室に間接照明を取り入れたり、LEDキャンドルを置いてみたり。好きな音楽を流せば、お風呂の時間がちょっと特別なものになります。
「今日はちょっと気分よく終われそう」そんな気持ちになれたら、それだけで十分です。
使い切りのシャンプーで「今日は特別」を演出
1回分の使い切りシャンプーやトライアルパウチをいくつか用意しておくと、「今日はこれを使ってみようかな」と、気分転換になります。
お気に入りの香りや使い心地のいいシャンプーを使うことで、ちょっとしたご褒美感が生まれ、自然とお風呂に向かいやすくなります。
湯船に浸かりながら“ながら行動”を取り入れる
「湯船に入っている間に歯磨きを済ませる」「スマホで漫画や短い動画を見る」など、“ながら入浴”を取り入れると、面倒だと思っていたお風呂が意外と気軽に感じられます。
「何かをしながら温まれる」という感覚が、入浴の心理的ハードルを下げてくれます。スマホを使う際は、防水ケースの使用を忘れずに。
あえて銭湯や日帰り温泉に行く予定を入れておく
「家のお風呂には入りたくない…」と感じた日こそ、あえて近所の銭湯や日帰り温泉に行く予定を立てておくのもおすすめです。
非日常の空間に身を置くだけで気分が切り替わり、「ちょっとリセットしようかな」という気持ちになれることもあります。設備も整っていて、掃除や準備の手間もないのが魅力です。
「◯曜日は温泉に行く」と決めておくと、その日をひとつのリズムにできて、入浴をイベントのように楽しめます。
お風呂上がりのごほうびを用意しておく
・冷蔵庫にとっておきのアイスを用意する
・香りがふんわり残るパジャマを用意する
・たまにしか使わないボディミルクで肌を丁寧にケアする
「お風呂に入ったら、ちょっといいことが待ってる」と思えると、自然と体が動き出すことがあります。
入浴を無理なく習慣化する5つのコツ
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入る時間をざっくり決めておく
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食後や歯磨き後など、何かの行動とセットにする
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お風呂に入れない日があってもいいと、あらかじめ自分に許しておく
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毎日できなくても責めない
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ごほうびを組み合わせて、気持ちよく終われるようにする
「完璧に続ける」ことを目指すよりも、「続けられる形」をつくってあげるほうが、長い目で見ると心も体もラクになります。
まとめ|お風呂は“頑張る場所”じゃなくてもいい
お風呂に入りたくない夜は、誰にでもあります。そんなときは、「今日は無理」と自分の状態を認めてあげることが何より大切です。
そして、全部を完璧にこなさなくても、ゼロにならない工夫があればそれで十分。あなたの気持ちと体をいたわる手段として、お風呂にまつわるルールをちょっと緩めてみましょう。
今日できたことを認めて、「また元気なときに入ろう」でいい。この記事が、あなたの“めんどうな夜”を少しでもラクにできるきっかけになれば嬉しいです。